小児用人工心臓 ベルリンハート

ユウタママです。

今まさに病気と闘っているお子さんも本当に沢山います。
渡航移植を受けたお子さんや、待機中の方、国内での移植待機をされている方。
本当に過酷な状況の中、必死に1日1日をつないでいます。

そんな中、ユウタのためにと集めた情報を少しでも早く必要としている方に伝えていけたらと思っています。

新生児から乳幼児用の人工心臓は現在日本では認可されておらず、治験の段階です。
それがベルリンハートという人工心臓でドイツのメーカーのものです。対応する体重がメーカーの表示では2kg~となっていますが、表示であって実際のところ3kgはないと厳しいようです。海外では2.7kgのお子さんに装着した実績もありますが推奨は3kgということだそうです。
ユウタも治験中の1台がもしかしたら必要であれば装着してもらえるかもということで3kgを目指していました。
2013年5月の時点で、治験中のベルリンハートは3台。うち2台は装着済み。3台の割り振りはニュースにもなっていましたが東京大学、大阪大学、国立循環器センターに各1台づつだそうです。3施設は国内で小児の心臓移植が可能な施設です。
1台は東京大学で2歳のお子さんに装着され、渡航移植が先日成功したそうです。(本当によかったです(^^))
治験が終わるとまた、認可審査までの時間がかかります。なのでユウタも残り1台がなくなったらその後半年以上は人工心臓は望めないだろうと主治医の先生方から話がありました。1日1日が本当に貴重なのに中々進まないというか遅れに遅れた日本の現状をもどかしく思います。そんな中、小児科の先生方は休む間もなく病気の子供を救うために日々頑張ってくださっています。どうか先生方の気持ちが折れませんようにと祈るばかりです。

人工心臓治療も決して楽観視できるものではありません。人工心臓内で血液が流れやすくするために血液をサラサラにするお薬を飲んだり、様々なことが必要になります。血液をサラサラにするということは出血があった場合止まりにくくなります。脳などで出血する可能性も高く、非常に難しい治療です。ポンプ内でできた血栓が血管に入り梗塞が起きたりと、危険も多いものと聞きました。ただベルリンハートは構造上現在国内で使用されている人工心臓より血栓ができにくいとニュースの記事にあったように思います。

セカンドオピニオンで言われたのは1度つけたら絶対に移植を受けなければならなくなるというわけでもないとのことでした。
人工心臓装着によって、心室内に滞った血液を吸出し、心室内の圧を下げて血流を良くすれば心機能の回復も見込めるそうです。
大人では、人工心臓装着後に機能回復があり人工心臓を取り外した方もいるそうです。
現在国内では再生医療の研究も盛んに進んでいますので、そちらとの併用で移植を受けることなく他の道が開ける日が来るのではないかと期待しています。

ただ、今現在心筋症の根治治療としては世界的な流れは心臓移植が主流となっているそうです。
再生医療についても、今後書いていきたいと思います。

1日も早く病気に苦しむ子供たちとその家族に光がさしますように。

やっと…

ユウタママです。

山梨もすっかり暑くなり、空梅雨かと心配していましたがしっかり雨が降ってくれています。
ユウタは雨を知らないけれど、お空から水が降ってくるなんて結構素敵だと思ってくれる気がします。

今日やっとお世話になったユウタの担当の看護師さんにお礼状を出すことができました。
とても素敵なお手紙をいただいていて、ずっと気持ちを伝えたいと思い続けてやっと書き終えることができました。

沢山泣いて沢山笑って、私たち家族を本当になにより近くで支えて励ましてくれたかけがえのない人にやっと気持ちを伝えることができてまた一つ前に進めた気がします。何度も書き始めては途中で詰まってしまい書き終えることができずにいました。人の記憶って本当にいい加減でいいように思い込んだり、悪いように思いこんだりするから厄介だなぁって思います。手紙を書いていて、色々と思い出したり逆によく思い出せなくなっていたりすることに気づきました。
今の気持ちを逃さないようにしっかり記憶して、今を精一杯生きなくちゃって思います。ユウタにとっての1日は人生の285分の1だった。今の自分から計算すると…   285分の1は40日。結構長いです… ユウタは本当に毎日毎日精一杯生き抜いた。自分は?って思うと落ち込みます。

主治医の先生が「ユウタは9か月しか生きれなかったけれどその9か月が社会に与えた影響は計り知れないです。」と最後に言っていました。それは、どれほどユウタの心臓が悪かったかを改めて認識する言葉でしたが、同時にユウタの強さと頑張りと強い強い生きる意志を感じた言葉でした。ユウタが残したデータによってまだまだ大丈夫って思える人が一人でも増えればいいなと思います。数字だけ見ればユウタは本当に信じられない力を見せてくれました。BNPの最悪期は確か2万を超えていたし、肝機能が悪化した時は劇症肝炎でもおかしくない数字が出てたけど、ユウタいつもは踏ん張ってくれて、正常値に近いところまで戻ってきてくれた。ユウタの残した結果でまだ大丈夫って、一人でも心が折れなくなるといいなって思います。お医者さんも看護師さんも本当に大変な仕事で、つらい現実を沢山見てる。それでもあきらめずに全力を尽くし続けて本当にすごいと思います。
いつか自分もそんな風になりたいと思います。もう結構いい年ですがあきらめずに行きたいと思います。

一日も早く病気に苦しむ子供たちに笑顔で過ごせる日々が来ることを祈っています。

これから...

ユウタママです。

ユウタがお空へ旅立ってから早1か月。
その間自分は何をしていたんだろう…。
パパも私もただ茫然としてしまって、なんとか生きてる状態。

でも色々と思うこともあってブログは更新したいと思ってます。

胎児性の心筋症の情報があまりにも少ないこと、
病院での発達のサポートは様々な努力が必要なこと、
日々の生活の中で病気の予防や、役立ったことや物、
そんなことを同じように困っている人が見て少しでも役に立てればと思っています。

心臓移植を目指すにあたっての情報の少なさや、決断に至るまでの気持ち。
経験してみないとわからないことも沢山ありました。

沢山勉強して、拡張型心筋症の突然死のリスクは解っているつもりだった。
けれど、今でももしもう少しだけ決断が早ければと思わずにはいられないです。

一人でも多くのお子さんが救われ、そして同じ思いをする親御さんが減ればと願ってやみません。
ゆっくりにはなると思いますが、色々と書ければと思っています。

ユウタ

未来を無くしました。
ユウタとの未来。決して手の届かないところへ行ってしまった。
どうすればいいのか、何をすればいいのか、
毎日考えて、でも答えなんてない。

人は耐え難いことがあると「何故?」って必死に答えや理由を求める。
けれど答えなんてないこともある。

それよりも今の自分がどうあるかを考えなければ。
あれだけ頑張りぬいたユウタに恥ずかしくないように。
そんな自分になれますように。